膵臓がんの最新治療法

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膵臓がんの治療も最近進歩が著しい。Medical Noteに名古屋大学大学院医科学系研究科 消化器外科 准教授 藤井 努先生のインタビュー記事が載っており、最近の膵臓がん治療を要領よくまとめてある。

  • 膵臓がん手術で最も多い合併症である「膵液の漏出」を防ぐこと
  • 「胃の切除範囲」は極力抑える
  • 激しい下痢や体重減少を引き起こす神経叢郭清は行わないか小範囲にする
    上腸間膜動脈に巻きついている神経には腸の働きを調節する役割があるため、少しでも傷ついたり、切除されてしまえば腸をコントロールできなくなり、食べた途端、下痢になってしまいます。
    手術後に食事ができなくなれば、回復もそれだけ難しくなります。この合併症により10?20kg体重が落ちてしまう患者さんもおり、このような事態に陥ると、術後治療を受けることが難しくなります。
  • 「術前治療」-膵臓がんは手術を行う前に化学治療や放射線治療をしっかり行うと、手術後に再発しにくくなる
  • 「切除可能境界」と診断された患者さんにはデータをお見せし、手術を急ぐのではなく、まずしっかりと術前治療を行ってから手術に臨むImage_001
  • 「フォルフィリノックス」と「ナブパクリタキセル」という2種類の新しい抗がん剤の登場により、膵臓がんの術前治療に大きな進歩が起こりました。
  • 膵臓がん治療における「腹腔内化学療法」の可能性
    膵臓がん治療における「腹腔内化学療法」はテスト段階で、日本全国の実施件数も33例と少ないものですが、すでにその成績には目を見張るものがあります。33例のうち、半数の患者さんは浮遊しているがん細胞が消失し、3分の1の患者さんは腫瘍マーカー(血液検査時にがんの有無を示す数値)が正常値に戻りました。さらに驚くべきことは「腹腔内化学療法」の効果が腹膜播種の消滅だけでなく、その大元である膵臓がんにも現れ、膵臓にできた腫瘍が小さくなって手術を行えるまでになった件数が33件中8件、つまり4分の1の患者さんは手術ができるまでに病状が改善しました。
  • 効果があるとされている「パクリタキセル」という抗がん剤に保険適用の認可が下りていないため、この治療が行える施設が限られている
  • 「膵臓がんは手術だけでは根治しない」なぜなら、膵臓がんは再発率が非常に高いがんであり、たとえ手術で全てのがんを摘出することができても、再発してしまうことがしばしばあるからです。

私も「上腸間膜動脈神経叢郭清(しんけいそうかくせい)」をしたため、主治医からは「アヘンチンキは一生飲むようになる」と言われましたが、最近は神経叢郭清はやらないで下痢になる患者も少ないようです。

膵癌の腹腔内化学療法は、以前に紹介した岡田直美医師の著作『このまま死んでる場合じゃない!』でも取りあげられていたが、オリゴメタ説との関連してもっと積極的に考えたい治療法です。


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