新しい局所治療法:ナノナイフ

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ドクターXでナノナイフ

2016年暮れのテレビドラマ ドクターXで、城ノ内先生がステージⅣaの局所進行膵癌(転移なし)と分かったが、門脈に腫瘍が絡んでいるため手術ができない。そこで大門未知子が不可逆電気穿孔法(IRE knife)で腫瘍を焼き切ろうとするシーンがありました。

不整脈が頻発してすべてを焼き切ることができなかったが、IRE knifeの効果で腫瘍が縮小して門脈から腫瘍が離れ、膵頭十二指腸切除術が可能となった。めでたしめでたしという筋書きでした。

不可逆電気穿孔法IRE(Irreversible electroporation) もしくは NTIRE(non-thermal irreversible electroporation)<非熱的不可逆電気穿孔法〉)とは、短時間・高電圧の電位勾配により細胞膜に電荷を蓄積させ、絶縁破壊によりナノスケールの穴を開けて細胞のアポトーシスを誘導し死滅させる癌治療法である。
細胞膜にナノスケールの穴を開けることからナノナイフとも呼ばれる
なお、”Nanoknife”はIRE用医療機器を製造するAngioDynamics社の登録商標である。

電位勾配を得るために、高圧直流電流を腫瘍を挟み込むようにして短時間流し、熱的作用は必要としない。この点が、従来のハイパーサーミアやラジオ焼灼術と大きく異なる点である。(Wikipediaより)

日本においては、2014年2月に東京医科大学病院において肝がんに初めて適用された。

メリットとデメリット

IRE(ナノナイフ)の利点
  • IREでは、血管近傍の癌に対して血管を温存して癌細胞を死滅させることができる。肝癌や主要な血管に浸潤して手術ができない膵癌に有効な治療法となる。
  • IREでは、胆管、胆嚢、消化管などの構造が保たれるので、ラジオ波焼却療法では合併症が危惧される癌も対象となり得る。
  • 術後の回復が早い
欠点
  • 全身麻酔が必要となる
  • 心臓との不応期同期システムが必要である。
  • 保険適用できない自由診療であり、費用が高額となる
    Disposable の電極針が 2~6 本で、50 万円~75万円と比較的高額で、全身麻酔などを含めると治療費が 100~150 万円掛かる。

現状は東京医科大学を中心として医療機関主導での海外企業AngioDynamics社の製品を用いた臨床試験が行われており、使用する使い捨て電極等医療機器の費用負担において医療機器メーカーその他の支援が得られず、自己負担となっている。

UMIN 切除不能局所進行膵癌に対する不可逆電気穿孔法(IRE)の有効性と安全性の評価

実施している医療施設

実施している病院は、

  • 順和会 山王病院 ナノナイフ外来
    東京都港区赤坂8-10-16  電話03-3402-3151
    森安史典医師が定年でここに移動した
  • 東京医科大学病院 消化器内科外来 (医師主導治験)
    東京都新宿区西新宿6-7-1  電話03-3342-6111
  • 国立がんセンター中央病院
  • 愛知県立がんセンター
  • 東京大学
  • 岡山大学病院

などです。

Googleで検索する際には「ナノナイフ」「IRE」でなく、「不可逆電気穿孔法」とした方が良い。

参考資料

第12回 肝がん治療の最先端技術!ナノナイフの可能性

手術が難しい膵臓がんに、新たな治療選択肢「ナノナイフ治療」

山王病院 がん局所療法センターのご案内

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