がん患者は”がん”で死ぬのではなく、餓死するのです

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がんで入院しても、がんで亡くなる患者はわずか2割です。8割の方は感染症で亡くなっています。なぜ感染症に罹るのか、それは栄養障害によって免疫機能が低下しているからです。

こう語るのは『「がん」では死なない「がん患者」 栄養障害が寿命を縮める』の著者である藤田保健衛生大学医学部外科・緩和医療学講座教授 東口高志氏です。

「がん」では死なない「がん患者」 栄養障害が寿命を縮める (光文社新書)がん患者の多くが感染症で亡くなっている。歩いて入院した人が、退院時にはなぜか歩けなくなっている。
入院患者の3割は栄養不良――。まさに「病院の中の骸骨」とも言うべき高度栄養障害の患者がたくさんいる。こうした実態の背景には、栄養管理を軽視してきた、日本の病院の驚くべき「常識」があった。
人生最後のときまで食べたいものを食べ、がんを抱えてでも、本来の寿命まで元気に生き抜くことはできる。
そのために、私たちが知っておきたいことは何か。超高齢社会において、医療はどう変わらなければならないのか。

栄養素のバランスが崩れた結果、代謝障害が起き、身体機能に支障が出ます。免疫機能もそのひとつで、健康人なら問題のない弱い菌にすら感染して、回復できずに亡くなるのです。

著者らの調査によれば、余命一ヶ月のがん患者の82.4%は栄養障害に陥っていました。適切な栄養管理をしてもこれ以上よくならなかった患者はわずか17.6%でした。そして適切な栄養管理を受けた患者は、がんそのもので亡くなるのですが、その最期はとてもおだやかでした。

栄養を摂るとがん細胞が大きくなる。だからがんを兵糧攻めにするためには栄養を摂らない方が良い、と考えが、医療者にもあります。これはまちがいです。

がん細胞は栄養が取れなければ、炎症性サイトカインを放出して、タンパク質の代謝を異常にして、筋肉などを溶かすようにして栄養を集めて大きくなるのです。食べて栄養を摂らなければ、がん患者はあっという間に栄養障害になり、やせ細っていきます。感染症で亡くなるのです。

「栄養を摂るとがん細胞が大きくなる」との考え方は、その栄養が私たちの身体から奪われているという事実を無視しているわけです。

タンパク質、糖質、脂質の三大栄養素のなかで、タンパク質が不足すると筋肉量が減少します。足りない栄養を補うために筋肉を消費してしますのです。歩けない、立てない、座れない状態になるのです。

血液中のタンパク質が減少すると免疫細胞を作れずに免疫機能が低下するのです。これじゃがん細胞と闘う兵隊を補充できなくなります。「体力がなければがんと闘えない」ことを、多くのがん患者が無視しています。

医学部の教育課程には栄養学はほとんど取り入れられていません。だからほとんどの医師が栄養に関しては素人同然なのです。


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アルブミン濃度が低いほど副作用が大きく、抗がん剤、放射線治療の副作用を低減させるためにも栄養が大切です。味覚障害を改善するには亜鉛、銅などのミネラルやビタミン全般を摂ることも必要です。

「がんの悪疫質だからしょうがない」の多くは、実は栄養障害による飢餓状態なのですね。がん患者の多くは餓死しているのです。

がん患者には人気のある食餌療法として「ゲルソン療法」がありますが、ゲルソン療法についてはこちらをご覧ください。

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