期待のがん光免疫療法とは?(3):アスピリアン社の臨床開発


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1月16日、米国アスピリアン・セラピューティクス社がプレスリリースを出しています。

和文抄訳から主な内容をピックアップしました。

「RM-1929」が、FDA より再発性頭頸部扁平上皮がんの一次化学療法と二次化学療法 のい ずれにおいても効果が現れなかった患者を対象とした治療法として、ファストトラック指 定を受ける

米国食品医薬品局(FDA)により、局所再発性頭頸部扁平上皮がんに対し、一次化 学療法、二次化学療法のいずれにおいても効果が現れなかった患者に向けた治療法として、フ ァストトラック指定を受けたことをお知らせいたします。 アスピリアンの会長である三木谷 浩史は、次のように述べています。「アスピリアンが、現 状に変革を起こすイノベーションをもたらし始めていることを、大変嬉しく思っています。ア スピリアンはイノベーションを通じ、人々ががんを克服して生きること (Conquering Cancer, for Life) を実現できるような世界を目指しています。無謀な挑戦だと思う方もいらっしゃるか もしれませんが、私たちはその最終目標に向けて力を尽くしていきます」

2018 年の第 1 四半期中に「RM-1929」のピボタル試験を開始予定

現 在、FDA の連邦規則集 Volume 7, Title 21 の Subpart E「Accelerated Approval of Biological Products for Serious or Life-Threatening Illnesses」に基づく迅速な承認に向けた戦略を含め、 ピボタル試験のデザインについても討議を実施しております。アスピリアンは、FDA からのフ ィードバックを踏まえ、「RM-1929」を再発性頭頸部扁平上皮がんに対するグローバル試験開 始を 2018 年の第 1 四半期中に予定しています。

アスピリアンのチーフ・メディカル・オフィサーのメリル・ビール博士は、次のようにコメ ントしています。「一次化学療法、二次化学療法を試みても効果が現れなかった局所再発性頭 頸部扁平上皮がん患者に対する First-in-class のターゲット治療法として、FDA が「RM-1929」 をファストトラック指定としたことをとても嬉しく思います。ファストトラック指定は、大き なアンメット・メディカル・ニーズに対処する「RM-1929」の潜在的な可能性を認めたものと 言えます。第 II 相臨床試験の中間結果は、現在承認されている標準治療の過去の臨床試験デー タと比較して、臨床的意義のある評価項目である全奏効率、無増悪生存率、全生存率において 効果があることを示しています。

「RM-1929」の日本における第 I 相臨床試験を開始

日本における「RM-1929」の臨床開発の前進を図るため、アスピリアンは独立行政法人医薬 品医療機器総合機構(PMDA)へ治験計画届を提出し、再発性頭頸部扁平上皮がんの日本人患 者に対する第 I 相臨床試験に着手しました。

RM-1929 について

セツキシマブ(アービタックス)と IRDye 700DX®の複合体である「RM-1929」は、頭頸部扁平上皮、食道、肺、 結腸、膵臓などのがんにおいて多種の固形腫瘍で発現する上皮成長因子受容体(EGFR)を標的にします。この最先端治療法は抗体コンジュゲートを用いて、正確にがん細胞を攻撃しま す。抗体が腫瘍に結合した後、結合色素は赤色光に反応し、迅速な抗腫瘍効果を誘発します。 腫瘍選択性と局所的活性化による二重の特異性には、周囲の正常な細胞や組織へのダメージを 最小限に留め、局所的腫瘍を制御することを、がん患者と医師は期待することができます。

IRDye 700DX

(株)エムエフテクノシステムズ社の近赤外線色素

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