代替医療はニセ科学か(1)

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アラビノキシランで進行胃がんが治った?

Jackさんのブロに、余命3ヶ月と言われながら、手術もせずに進行胃がんを完治させたお父さんの闘病記が載せられています。

 2006年12月に、進行胃がん、ステージ4、肝臓始め大腸・リンパ節他体中に転移…腹膜播種(ふくまくはしゅ)、骨盤底に腹水、・・・手術不能。–もっても1年、悪ければ余命3ヵ月–との宣告を受けます。しかし手術も受けず(というか、手術不能の状態)に、高品質のアラビノキシランを服用することで3ヶ月でガンが消失してしまった。

病院についた私と家族は、CT検査の結果が待ちきれず、医師のところへ出向いた。
…CT検査の結果は、すでに出ていた。
そして皆で、その写真を見せてもらった…

「え??」

「癌が…消えている???」

…そうなのだ、癌が「消えて」いるのだ!父の胃の部分に大きく影となっていた癌が、
肝臓にあった影が、大腸部分が、他にバラバラとあった影が、無くなっているのだ!

—-「残っているのは、この胃と肝臓の間にあるリンパの部分だけですね…
それも、10cmあったものが5cmに縮小していますね。あとは全部消滅しています」
…医師が告げた。

あまりのことに、私は自分の目を疑った。夢を見ているのではないのか…
つい一昨日、胃カメラで見たときには、まだ胃の底に少しだが癌細胞が残っていたのだ。
それが跡形も無く消えてしまっている。たった二日で消えてしまうとは!!
何ときれいな胃に戻った事か!
私が心配していた肝臓転移の癌も無い!
散らばっていた小さな癌も、跡形も無いのだ!
…嘘ではない。自分のこの目で確かめたのだから。(CT画像のページ参照)

転移部分は、リンパの部分を1箇所残し、あとは全て消滅していた。
その残ったリンパ部も、当初10cmもあったものが、なんと5cmまで縮小しているのだ!

すばらしい体験談であり、闘病記ですね。高品質のアラビノキシランはそんなに効果的なのでしょうか? 抗がん剤も放射線治療も併用していたわけですから、何が効いたのかは特定できません。しかし、通常の標準的治療ではこうした奇跡的な回復はまさに「奇跡的」にしか起こらないことも事実です。Jackさんも次のように書かれています。

…私の父と同じように、皆様全員がこの代替療法で「絶対に治ります」とは申し上げられません。
様々な効能をもつ機能性食品であっても、化学療法と同様に効果の「個体差」はあり、各人によって効果の出方は変わります。

私が言いたいのは、がんでも健康であっても免疫力を向上させることが、がん治療および健康促進の一番の近道である、ということです。
がんに打ち勝つ免疫力をつけるには、高性能な機能性食品を軸とし、食事、水、ストレス、睡眠、運動、体温、スピリチュアル…など、生活全般の
トータルバランス=総合力をもって対処することです。そうでなければ、がんには太刀打ちできません。

私の考えも同じです。つまり、「○○でガンが治った」という闘病記はたくさんあります。しかも○○にはいろいろのものが当てはまります。アガリクスかもしれないし、フコイダンかもしれない。サメの軟骨やプロポリスもあります。(中にはでっち上げたものも多いが・・・特にバイブル本に書かれたことは全てでっち上げだと思って間違いない)

私たちガン患者が信じてもよいのは、「末期ガンでも治る」という「事実」です。この事実はたくさんあります。1万人に1件という人もいれば、いや100人に1人はいるという人もいます。ガン=死ではないということです。しかし、これをやれば絶対に治るという方法もまたありません。治る可能性・確率が高くなるかもしれない、という程度です。

しかし、それは現代医療でも同じことです。手術以外にはガンを完治させる方法はありません。放射線も抗がん剤も「延命効果」しかないのですから。

アラビノキシランの成分であるL-アラビノースについては、厚生労働省の「素材情報データベース」に載っています。ただ、「アラビノースを関与成分とし、「血糖値が気になる方に適する」旨の表示ができる特定保健用食品が許可されている。」という以外は、全ての項目で「調べた文献の中に見あたらない」と書かれています。

私も少し調べましたが、アマゾンでいくつかの書籍があったので図書館で借りてみました。『難病を癒す免疫療法-病気の「原因治し」と免疫強化物質アラビノキシラン』-鶴見隆史著でしたが、内容が陳腐でよく理解できませんでした。著者が悪いのでしょう。江本勝流のニセ科学の見本とも言える「波動測定器」を使って効果を測定し、「だから効くのだ」という論理です。まともに読む気もしないで閉じてしまいました。帯津良一氏の監修した本もあるのですが、金を出してまで読む気がしません。

ニセ科学

ガン患者の弱みにつけ込んだニセ科学があります。気をつけましょう。では代替医療はすべて「ニセ科学」なのでしょうか。そんなことを考えてみます。

まだ勢いが衰えないようですが、「マイナスイオン」はニセ科学の代表でしょう。トルマリンは一時よく売れたようです。マーティン・ガードナーはその著書「奇妙な論理」の中でたくさんの「疑似科学」を列挙しているが、代替医療として、


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疑似科学と科学の哲学を挙げている。有機農業も疑似科学に含まれている。もっともこの本が書かれたのが1952年ごろだから、その当時の知識を反映したものでしょう。

代替医療は全て「ニセ科学(疑似科学)」なのだろうか。科学哲学の分野では、どこからを科学とし、どこからを疑似科学とするのかを決定する「線引き問題」の論争が続いています。そうした科学哲学を紹介した本に『疑似科学と科学の哲学』(伊勢田哲治)があります。この本の第4章では、「代替医療を題材に 科学と疑似科学と社会」の問題を扱っています。(つづく)

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